いわゆる、持っている選手なのだという。
サッカー男子の23歳以下(U23)日本代表のGK野沢大志ブランドン(21)について、中学時代に指導した小寺一生さん(40)=J3・FC琉球U18監督=は、こう語る。
「彼はタイミングが良いんです」
知り合ったのは、野沢が小学生の時だった。
試合での存在感は他の選手を圧倒していた。すでに170センチを超す長身で、ゴールが小さく見えるほど。パワーもあり、GKながらキックオフから直接シュートを狙う「キックオフゴール」を決める姿も見た。
当時、小寺さんはFC琉球の中学年代チームで指導していた。野沢が入団テストを受けにきたので、迷いなく合格させた。
実際に指導してみると、鮮烈な印象は変わったという。「シュート打ったら入るし、正面に来たボールもポロポロこぼしていた」。体の動きが鈍く、シュートに反応できないことが多い。成長期で体のバランスが崩れ、自分が思うように体が反応しないようだった。
この改善につながったのが、当時トップチームでプレーしていたGK朴一圭(34)=現J1サガン鳥栖=と出会ったこと。これが一つ目のいい巡り合わせだ。
中学2年の春先だった。指を…